2024年1月3日褒め方にはコツがある
★欠点ばかり見てしまう
日本話し方センターのベーシックコースでは、受講生が毎回人前でスピーチを行っています。
スピーチを繰り返し行うことで、面接や上司への報告、プレゼンなどでも落ち着いて話せるスキルを身につけることができます。
ところで、人前でのスピーチを終えた受講生に感想を聞くと、ほぼ全員が次のようなことを言います。
- あがってしまい、途中で話が飛びました
- 原稿ばかり見て話してしまいました
- 緊張して「え~、あの~」を連発してしまいました
このように、自分ができなかったところばかり言うのです。
「上手く話したい!」という思いが強い人たちばかりですから、できなかったところに意識を向けてしまうのは仕方ないことだと思います。
しかし、それ以外にぜひ意識して欲しいことがあるのです。
★良い点を意識する
それは、以前よりも良くなった点、できた点です。
スピーチでは、このようなことが良くなった点としてあげられます。
- 聞いている人の顔を見ながら話すことができた
- 以前よりゆっくりしたスピードで最後まで話せた
- 後ろの人までハッキリと聞こえるくらい大きな声で話せた
しかし、自分の良くなった点やできたことは、自分自身ではなかなか意識できないものです。
なので、ベーシックコースでは講師がそれを必ず伝えます。
そうすることで、受講生は自分の成長を客観的に意識することができます。
それがトレーニングを継続するモチベーションになるのです。
私たちは、自分のことでも他の人のことでも、とにかく欠点に目が行く傾向があります。
なので、人の良い点、良くなった点に意識して目を向けることは、良い人間関係を作る上でもとても大切なことなのです。
★具体的に伝える
ところで、良くなった点を伝える際、講師は単に「良かったですよ!」とは言いません。
もしあなたが受講生で、人前でスピーチした後、「とても良かったですよ」と言われたら、どうでしょう?
「どこが良かったのかな?」と疑問を感じるのではないでしょうか。
スピーチに限らず、職場や家庭で人を褒める上でとても大切なポイントが、この点にあります。
ベーシックコースや2日間集中コースでは「褒め言葉を使おう」という講義があります。
その中で、人をほめる上で重要なことは「具体的なことをその場でほめる」ことだと説明しています。
何がどのように良かったのかを、事実に基づいて具体的に示すことが、人を褒める上でとても大切なことなのです。
「うまいね~」「よかったよ!」「素晴らしい!」「いいね~」
こうした言葉で部下や子供を褒めることはよくあると思います。
しかし、せっかく褒めるなら「いいなぁ」と思った言動を具体的に伝えた方が、相手に理解されやすいし、同じ言動を繰り返しできるようにもなるでしょう。
「さっきの会議で誰も気付いていない点を指摘してくれたね。おかげでとてもいい議論ができたよ。ありがとう!」
「今日の朝礼のスピーチ、私も反省させられたよ。相手の立場に立って考えないといけないね。ありがとう!」
「さっき道で困っている人に声をかけていたね。あの人、とてもうれしそうだったよ。素晴らしい!」
また、具体的に褒めるとともに大切なことは、その場ですぐに褒める、ということです。
時間とともに人の記憶は急速に薄れていきます。
しばらく経ってから褒めても、「そんなことあったかな?」と相手に思われてしまうこともあるでしょう。
それに、時間が経って褒めても相手が「なんだ、もっと早く言ってよ」と思うこともあるでしょう。
褒め言葉も鮮度が命です。
その場ですぐに褒めましょう。
もっとも最近では、褒めるという行為が上から目線のように取られることも多くなってきました。
なので、上の例にあるように、感謝のことばを添えるとより伝わりやすくなるでしょう。
ぜひ実行してみてください。
★人間関係をよくする話し方を学びませんか?
日本話し方センターの各コースのカリキュラムは、上手な話しの仕方とともに『褒め言葉』のように人間関係をよくする話し方や態度、表情などをとても重視しています。
人間関係をよくする話し方ができるようになりたい、と思われている方はぜひご受講ください!